のぞみ牧場学園の作業療法とは?
作業療法は「人々の健康と幸福を促進するために医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。」という定義があります。
それは、ケガや病気、または生まれながらに障害がある人など、年齢に関係なく日常の生活に支援が必要な全ての人に、作業を通して楽しく生きていくための支援を行うということです。
そして、こどもにとっての作業。それは、「遊び」です。
のぞみ牧場学園では、遊びを通して粗大な動きや微細な動き、感覚の処理能力やコミュニケーション能力など様々な側面から、こどもたちが困っていること、できるようになりたいこと、生活していく中で必要な動作を楽しく獲得していくことをサポートしています。
作業療法の指導内容
のぞみ牧場学園のパステルハウスには、大きなブランコやトランポリン、はしご、すべり台、平均台、トンネル、鉄棒など様々な遊具があり、一人ひとりのこどもの発達に合った遊具を使用して運動遊びを行います。
こどもたちが自ら運動に挑戦し、「少し難しくても、それが楽しい」「もう一回やってみたい」と感じられるよう、遊具の配置やゲーム性のある課題を行うなどの工夫を大切にしています。
こどもたちの中には運動が苦手、動きにぎこちなさがある、不器用さなどが見受けられることが多くあります。
その基盤には身体の筋肉がしっかり働いて姿勢を保ったり、バランスを上手くとったりすることが必要です。
例えば、丸太型のブランコ(ボルスタースイング)は、座って乗る、立って乗ることでバランス能力を養うことや、しがみついて乗ることで足や腕、体幹など身体全体に力を入れて保持する経験を積むことができます。
その他にも様々な遊具を使用して苦手な動きや新しい動きなど多くの動きを引き出し、基盤となる身体作りや動作の向上を目指します。
身体を使う遊びだけではなく、コイン入れや積み木、ペグさし、ビーズ通しなどで遊ぶ中で手や指を動かし、つまむ動作や握る動作、両手を使う動作の練習をしています。
既製品のおもちゃだけではなく、洗濯ばさみやトング、スポンジなどご家庭にあるものや、簡単に作ることのできる手作りおもちゃなども使用しています。
実際に鉛筆やはさみなどの道具を使うなど様々な微細運動の活動を行っています。
ボタンをはめる、食具を使う、鉛筆で書くなど様々な生活動作に手を使うことが必要となり、手や指を使うということは日々を過ごす中でとても大切なことです。
様々なおもちゃで楽しく手を使って遊ぶことで、自信をつけながら生活動作に必要な手の動きを経験していきます。
さらに、小麦粉粘土やシェービングクリーム遊び、ゼリー遊びなどの触覚遊びにも力を入れています。
心地の良い感触は情緒の安定にも繋がると言われており、心も体も充実できるようなプログラムを日々行っています。
触ることが難しい時には、無理をせず他の道具を使用して楽しんだり、触ることのできる触覚遊びを探してみたりと個々に合わせて遊びを行っています。
ご家庭ではなかなかできないダイナミックな遊びを行えることも魅力の一つです。